チカは、東北地方から北海道にかけて釣れる魚であり、船に乗らなくても岸壁から釣りを楽しむこともできるために初心者や女性にも人気があります。釣り方も簡単なため、時期や回遊によってはバケツ一杯分も手に入れることができ、また調理もフライやてんぷらなど粉をつけて揚げるだけでも非常においしい魚であることから魚嫌いの子供さんにも釣って楽しむことができます。地域によって時期もあるので、その土地の釣り情報を確認してからベストポイントに向かうといいでしょう。
釣りにはさまざまな方法があり、ワームなど疑似餌を使用してアクションで魚をおびき寄せて釣るとなると初心者には全く釣れないこともあって面白くないものとなることがありますが、チカ釣りは違います。チカ釣りはたくさんの針がついた仕掛けにえさをつけて海中に下げるだけでも釣れる手軽さがあり、女性や子供連れのファミリーにも親しまれています。釣りは高品質な道具も重要な場合もありますが、チカ釣りでは初心者用の釣りセットでも十分釣り上げることができるため、道具を揃えるにもお金をかけることがありません。また、餌においてもコマセの冷凍ブロックが一つあればみんなで使用することができます。
初めての釣りで全く釣れなかった場合、釣りはそれほど楽しいものではないと誰もが思ってしまうものです。一方で、釣りにはまっている人の中には最初の釣りでたくさん釣れた経験が忘れられないという人も多いものです。とくに子供さんなど初めての人を連れて行く場合には、チカ釣りなら大量に釣り上げられる可能性が高い釣りであり、しかし事前にどこでいつ釣れるのかの情報を得ておくことも重要です。
チカ釣りの餌には、一般的にはコマセの冷凍ブロックを使用します。釣り道具屋の冷凍庫でブロック状になって販売されており、店舗によっても価格は違ってきますがだいたい200円前後ととてもリーズナブルです。しかし、冷凍のままでは使用できないので解凍する必要があります。夏場であれば岸壁のコンクリートに置いておけば仕掛けをセットしているうちに溶けますが、事前に購入しておくといいでしょう。また、釣り道具屋によってはサービスとしてお湯をかけて解凍してくれたり、あらかじめ解凍したものを常温販売していることもあります。
コマセブロックは解凍してみればわかるように、非常に臭いがきついものです。できるだけ手にはつかないようにするために、便利な道具もいろいろと販売されています。コマセ用のバケツであったり、スプーンやひしゃくも一緒に購入しておけば手を汚さないのでその手で竿を触ることもなく、片付けも楽に済ませることができます。
チカ釣りでは、遠慮せずに多くの人が釣っている場所に入って自分も釣りをするのが釣果を伸ばすポイントでもあります。先に来てすでに釣りをしている人の釣り針からは、落ちた餌が海中に漂っていることからたくさんの魚が集まっています。また、えさを撒いている人がいればいっそう海中にたくさん寄っているので、より多くのチカが集まっています。そのチカを狙って、チカよりも大きなサバなどの魚が釣れるという可能性もあり、魚種を楽しむこともできます。子供さんにとっては、新しい魚の名前を覚えさせるためにもいいチャンスになります。
投げ釣りになると初心者の人では投げることに慣れていないのでできるだけ人のいない場所からスタートした方が安全ですが、サビキ釣りで行うチカの場合には真下で釣ることから潮の流れがはやい時でない限りはそれほど他の人と離れる必要がありません。相手に迷惑がかからない程度の間隔は開けますが、先に来ていて餌で魚を集めている人の近くの方が効率よい釣果に期待ができます。
地域によっても差がありますが、チカは三月下旬から五月下旬にかけて川の水と混じった汽水域周辺で産卵をするために寄ってきて、中には3年や4年といった長生きをするチカもいることから体長は20㎝近くになるものもあります。大きいチカを狙うためには大きめの針がついた仕掛けを使用しますが、あたりがあるのに乗らないという場合にはチカの口にサイズに対して針が大きすぎるケースも考えられます。その場合には、針の号数を落として釣果を狙ってみるのもいい方法です。針を小さくするとともに、糸が魚にばれないように細くしていきます。
チカ釣り用の仕掛けは、自分で針と糸を購入して作る楽しみもありますが、便利なセットも多く販売されています。その針に合った太さの糸が付けられており、おもりやサルカンまでセットになっているので竿とリールだけ用意すればいいので手軽です。針の数には8本程度から12本などたくさんついたものもありますが、初心者は絡まった時のことを考えて少な目からスタートしてみましょう。
まだその釣り場所で釣り人が来ていないという時間には、チカの回遊を待つだけではなく自分がチカを寄せなければなりません。海中に多くのえさを漂わせるために効果的なのがサビキカゴです。荒目のカゴなのですきまから少しずつ海中に落ちる仕組みになっているので、一気に落ちれば魚は食べてすぐに退散してしまいますが安定して魚を寄せる効果があります。また、バケツに撒き餌を用意してひしゃくで撒くという方法も行われています。釣り場に着いたらまず最初に撒き始め、道具の準備をしながら時々撒き続けることによって釣り初めには魚が寄っています。
釣り場に到着したらまず始めに作りたいのが撒き餌です。これは冷凍ブロックで販売されているものでは単価が高くなるため、粉タイプを使用します。バケツに海水を少量すくっておき、ここに粉を入れてかき混ぜていきます。投げ入れる場所は、広範囲にするのではなく自分が釣竿を下げようと思っている場所に回数を分けて行います。
チカ釣りは、初心者でも簡単にできる一方でより釣果を伸ばすためには周囲の情報も必要です。どの場所に寄ってきているのかは、釣り具店でもお客さんからの情報をもとに掲示板に記入していることもあります。また、釣っている最中にもまわりの人の釣果も気にしてみるといいでしょう。とくに、しかけや餌などちょっとしたことで釣果が変わることもあります。他にも、潮が動く大潮や潮の動きが全くない長潮の日、満潮や干潮などが影響し潮の流れが急に変わることもあるので、臨機応変に場所移動をしてみるのも釣果を伸ばすための賢明な方法です。