一般的なイカは三角形のエンペラがついていますが、コウイカはボディ部分が楕円形をしておりその周りを一周囲むような形でエンペラがついているという変わった形のイカです。関東地方より西で夜釣りとして楽しむことができ、煮る、焼くが定番の魚と違って和食にもイタリアンにも活躍するイカは料理のバリエーションも豊富にいろいろな味で楽しめます。釣って楽しく食べておいしいコウイカ釣りは、年齢性別問わず多くの人に親しまれています。
釣りにはたくさんの方法があり、魚種によって釣り方がさまざまあります。大きく分けるとえさによって誘いをかけて釣る方法とアクションによって釣る方法とがあります。餌釣りでは、海老や小魚を使用する大型の魚を狙う他に、虫類を使用することも多いものです。エラコと呼ばれるみみずのような形状をしたものや、イソメやゴカイなどのムカデのような形状をしたものになれば女性や子供さんになるとつけることすらいやになってしまう人もいるでしょう。イカ釣りは、アクションによる釣りであり、餌として使用するものも生き物ではない疑似餌なので初心者でも安心です。
コウイカ釣りでは、エギと呼ばれるものを使用して誘いをかけます。形状としては海老のような形をしており、その時に狙うサイズに応じて大きさはさまざま販売されています。しっぽの部分にあたる場所に円形に針が付いており、かえしがないので逆さにすればすぐにイカを針から簡単に外すことができるので直接イカを触るのが苦手な人でも安心です。
コウイカは夜に釣りを行います。夜行性でもあるので日が落ちて暗くなることで活性が高まって釣果が伸びるものですが、光に集まるという特性も持っています。さらに釣果を伸ばしたいという場合には、光の集まっているポイントで行うことがおすすめです。船釣りをする場合にはあらかじめ船に設置された集魚ライトでおびき寄せますが、岸壁から行う場合には集魚ライトを持って行くといいでしょう。釣り場に到着したらまず最初に真下の海面にライトをあててイカを集め始め、それから道具や仕掛けの準備をして釣り始める頃には魚影が見えるほどに集まっているでしょう。
もしも集魚ライトを持っていないという場合には、街灯の光が海面に当たっているポイントを探してみましょう。海面の光が当たっている部分と暗い部分の境目がおすすめポイントです。また、しかけにケミホタルなどの発光性のあるものをつけておけば、海中の遠くからでも疑似餌をうまくアピールして釣果を伸ばすことができます。
釣りに行きたくても日中はなかなか行けないという人も多いことでしょう。釣りは日中に釣れる魚だけではなく夜だからこそ楽しめる魚種もたくさんあります。仕事が忙しくて夜にしか時間を取れないという人でも、コウイカ釣りならベストタイムです。一般企業に勤めている人は土日祝日休みも多いですが、サービス業になれば逆に土日祝日は必ず出勤ということも多く、別の職種で働いている仲間と釣りを楽しむことができる夜釣りはとても人気があります。とくに、コウイカは釣りに行って帰りが遅くなっても生き物の餌を使用せず仕掛けも簡単なので、片付けの時間がかかりません。
釣りに行くと片付けがめんどうなものですが、コウイカ釣りは毎回餌つけをすることもなく簡単な仕掛けでも始められるのでとても手軽です。車に道具を積んでおけばいつでも仕事帰りに楽しむことができ、さっと行ってちょっと釣るにも向いています。また、食べる楽しみというのも大きいものであり、料理のバリエーションも豊富なので飽きることがありません。
コウイカは、無脊椎動物の中で体の大きさに対して最も脳のサイズが大きく、それだけに最も知能が高いと言われています。なので、釣り上げるには難しいと思われてしまいがちですが、ちょっとした工夫をすることで人間が勝つことになります。エギから伸びる釣り糸は、太くなるごとにイカに気付かれてしまうものです。イカも一度ひっかかってしまえば頭がいいので同じことを繰り返さないように警戒してしまいます。できるだけ細い釣り糸を使用して気づかれないようにしますが、釣り上げる時に切れるような細すぎるものでは意味がありません。その時に狙うイカのサイズに合わせますが、3号から4号程度が一般的です。
コウイカはたくさんのスミを持ったイカとしても有名です。釣った喜びもつかのま、顔に大量のスミを浴びるということもよくあることです。釣り上げる前には、海面から口を出してあげるとイカは警戒をしてスミをはき始めます。何度かに分けてはくので、逃げられることを警戒してすぐに回収せずにしばらく我慢をすることがポイントです。
一般的にはコウイカ釣りにはエギが使用されていますが、その色も釣果に大きく影響をしてきます。潮がにごっている時にはアピール力を上げるために明るめの色を使用するのがコツです。海には川からの水が流れ出ており、前日に雨が降ったという時には川から大量の水が流れ出てくるのでにごりが生じているケースも多いものです。そんな時には、オレンジやピンクなどの派手な色でアピールをします。しかし、海水が澄んでいる日には逆に派手な色はばれてしまうので釣れないことが多いものです。そんな時には茶系やグリーン系、ブルー系など色味を抑えたものを使用します。
コウイカ釣りではイカナゴなどの魚を使用しても行われています。専用の仕掛けが販売されており、魚を乗せた後に針金で魚と仕掛けを固定して使用します。この場合にはアクションをすることもないので、竿を海に垂らしてのんびりとあたりを待つだけなので手軽です。ウキが沈んだらすぐに竿を引いてあわせをし、針にフックさせるのがコツです。
コウイカは関東地方ではあまり出回らないめずらしいイカでもあります。しかし、釣り場を選べば岸壁でも初心者や女性、子供さんにも簡単に釣ることができます。たくさん釣れたらご近所さんにおすそ分けをしてもその珍しさから喜ばれることでしょう。また、冷凍保存をすることができるのでいつでも味わうことができます。頭がいいイカとして有名ですが、コツさえつかめば大量にゲットできるものです。場所や潮に合わせた仕掛けや釣り糸など工夫をし、また時にはまわりの釣り人が使用しているものを参考にしながらより釣果を伸ばしてみましょう。