鮎は香魚とも呼ばれる程の香り高い魚です。6~7月の鮎を若鮎、8月頃は盛期の鮎、それ以降を落ち鮎といいます。味もよいため釣りにおいてはとても人気が高く、解禁日には多くの釣り人が川に訪れます。川も鮎のいる川には条件があります。まずはきれいな川ということです。稚魚を放流している川もありますが、海に流れ込むきれいな川では貴重な天然の鮎を釣ることが出来ます。そんな鮎を釣るのは、難しいと言われています。しかししっかりと準備をしていくことで、初心者でも鮎釣りを楽しむことが出来ます。
初心者でも比較的簡単にトライできるものがあります。毛バリ釣りという方法です。仕掛けの作り方は以下のようなものです。毛バリ釣りに使う釣竿はカーボン製のものを使用します。初心者は10mの竿から用意すると、鮎を取り込みやすいです。オモリ5号を付けてもオモリ負けしないような物を選びます。そして長さ10㎝の1号糸の上先にスナップサルカンを結び付け、下に魚型調節器を付けます。次にナイロン1号道糸4mを調節器に巻き込み長さを調節します。道糸に0.8mmの先糸を1m結び、自動ハリス型テンピンを付けます。一番下に0.4号ほどの捨て糸でオモリ5号を付けたら完成です。
最初は出来合いの毛バリ釣り仕掛けでも構いません。完成したもので1500円程で購入することができます。鮎毛バリの種類は三千種類以上あり、河川の状況や天候、水温などによりどの毛バリが良いかは断定できません。しかしだからこそ初心者でも、大釣りすることがあり、予測のつかないところに鮎毛バリ釣りの楽しさがあります。
鮎を釣る方法に友釣りというものもあります。これは生きた鮎をオトリにし、尾にハリを付けます。すると、縄張りに入ってきた侵入者を体当たりで追い出すという鮎独特の習性から、オトリの掛けバリにかかるという仕組みです。他の釣りにはない、独特の楽しさがあります。友釣りの仕掛けは天上糸と水中糸を別々に用意します。ライントラブルなどで糸を交換する際、天上糸のみ交換することができます。天上糸は固く、穂先に絡まりづらいものがよいです。水中糸は極細のものを使用します。その間に回転式リリアンと呼ばれる部品を装着するというのが友釣り仕掛けの作り方です。
友釣りは他の釣りには全くない感触で魚を釣ることができます。その感触に多くの釣り人が魅力を感じ、夢中になります。鮎釣りをする人がとても長い時間川に入っているのもこの為です。なので仕掛けの作り方も人により様々で、あくまで例でしかありません。初めはベテランの人などを参考にして作り、慣れてきたらいろいろと工夫し、道具なども揃えていくことをおすすめします。
全国にはたくさんの鮎釣りの出来る河川があります。そのどの河川も水の透き通る、きれいなことが特徴です。天候川は鹿児島にあり、特に支流の霧島川は人気スポットとなっており、解禁日には多くの釣り人で賑わいます。宮崎県の五十鈴川はヤマメ釣りでも人気の河川です。放流鮎以外に天然の鮎も釣ることが出来ます。石川県の輪島川も全国にファンのいる鮎釣りスポットです。中流部に鮎の産卵床になっている早瀬が広範囲に渡り確認されていることから、地鮎が多くとれることが理由と考えられます。富士川は鮎釣りのメッカとも言われる河川です。山梨県から静岡県に向かって流れる川で、激流を泳ぎ巨大化した鮎を釣ることが出来ます。
鮎の釣ることのできる河川はまだまだたくさんあります。東京でも奥多摩地方の多摩川下流と支流では鮎はもちろん、ニジマスなども釣ることが出来ます。いずれにしても、解禁日は6月1日が多く、その日はどの河川も多くの人で賑わっています。初心者は解禁日にいく場合、ベテランの人などに付き添ってきてもらった方がルールやマナーなども知ることが出来るためおすすめです。
鮎釣りを行う際にはいくつかポイントがあります。仕掛けにおいてはまず、状況に応じたものを使うということです。例えば普通の緩やかな瀬では細い糸を使い、早い瀬では少し太めの糸を使うなど状況によってこまめに替えていきます。またハリもこまめに替えていきます。蹴られたり、石に擦ったりしたらすぐにハリを替えます。釣れないときほどこまめに替えた方が良いです。オトリの泳ぎが悪くなったときも同様です。1日に20本くらい替えるつもりで挑むことが大切です。そして下流側に足場をとり、上流へ鮎を泳がせるようにすることも基本となります。
仕掛けは人により様々です。しかし鮎のいる場所をえらび、状況に合わせて工夫をすることが大切です。また時間や手間をかけることで、大釣りに繋がります。使うオトリが弱らないように緩やかな瀬から初めていき、弱らないうちに次の鮎を釣るというローテーションで釣ることが大切です。川に入って釣る場合は石の様に静かに釣ります。
鮎がなかなか釣れないときは仕掛けに何か問題がある可能性もあります。そのコツはいくつかあります。まずオトリの浮きすぎ沈みすぎに注意することです。理想的なポジションは川底から10~15㎝くらいの所です。掛けバリの位置が適切で、オトリが理想的な位地にいると、掛けバリは背中にかかります。オトリが浮きすぎのときは、竿先に強いテンションがかかっていることがあるので、その様なときは竿先を倒し、オトリを沈みこませます。オトリが激しく動き回る際には、竿先で押さえつけるようにします。0.5号程のオモリをつけることも有効です。
鮎釣りの仕掛けにおいてはオトリとなる鮎の状態は非常に重要です。釣れないときは、釣りポイントの他にオトリの状態を確認します。釣れないときほどオトリをよく交換して体力を回復させてあげます。また元気がよくても10~15分程で他のオトリの鮎と交換し、ローテーションで使うことが効率がよい方法であると言えます。
鮎釣りの仕掛けは本当に釣り人によって様々なやり方やコツがあります。あくまで例でしかありません。鮎釣りは何度か行うようになると、そのコツを掴むことが出来るようになります。経験者の人のアドバイスなど参考にし、仕掛けを作ると良いでしょう。初心者の人でももちろん、鮎釣りは釣れるとその楽しさに魅了されます。初めは毛バリ釣りなどの出来る河川に出向くのもおすすめです。どの河川においても鮎釣りの出来る期間はあまり長くありません。是非解禁日を迎えたら挑戦して、1シーズンで何度かチャレンジすると早くその骨を掴むことが出来るようになるかもしれません。