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大分県は、JFおおいた(大分県漁業協同組合)の区分で豊前海地域・豊後灘/別府湾地域・豊後水道北部地域・豊後水道南部地域の4海域に面しています。岸壁や物揚場などの港湾施設は大分県によれば本来「船舶の係留や貨物の積み卸しのための施設」で、県の港湾課が公式に「港湾区域内で釣りのできる場所」として挙げているのは別府港餅ケ浜地区の桟橋のみです(2020年3月更新の県ページ)。この記事では大分県庁・大分県漁業協同組合(JFおおいた)・別府市・佐伯市など公開されている一次資料で確認できた範囲に絞って、釣りができる場所とできない場所、県の遊漁ルールをまとめました(情報確認日:2026年9月26日)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象地域 | 大分県全域。JFおおいたは県内の漁場を「豊前海地域」(中津市・宇佐市〜香々地)「豊後灘・別府湾地域」(国東半島〜大分市)「豊後水道北部地域」(佐賀関〜津久見)「豊後水道南部地域」(佐伯市)の4海域に分けて紹介している |
| 主な釣り場 | 大分県が公式に「港湾区域内で釣りのできる場所」と明記しているのは、別府港餅ケ浜地区の桟橋(旧オリアナ桟橋)のみ(2020年3月更新の県ページ)。漁港は釣り禁止の明文が無くても漁業者の作業を優先すべき場所であり、看板の指示に従う |
| 主な禁止事項 | 餅ケ浜桟橋は投げ釣りが条例により禁止。車両乗入れ(許可を受けた場合を除く)・船舶係留も不可(別府市の案内)。佐伯港女島岸壁はSOLAS条約に基づく立入制限区域。佐伯市の大浜漁港海岸は崖崩れのおそれがあり一部立入禁止 |
| 県の遊漁ルールの要点 | 遊漁者が使える漁具・漁法は竿釣・手釣・たも網・さで網・船を使わない投網・やす(発射装置なし)・徒手採捕のみ(大分県漁業調整規則第46条)。発射装置付きの「もり」「やす」・電流を用いる漁法などは禁止(第35条)。発射装置がない「もり」も使用禁止、海面のひっかけ釣り・かに網も禁止(県の補足説明・第35条/第46条関係)。あわび・さざえ・いせえび・まだこ等はサイズ・時期の制限あり(第42条)。うに・あわび・いせえび・たこ・あさり・ひじきなど第1種共同漁業権対象種の無断採捕は禁止 |
| 情報確認日 | 2026年9月26日(公開情報による。現地取材ではありません) |
JFおおいた(大分県漁業協同組合)は、県内の漁場を地形の異なる4つの海域に分けて紹介しています。「豊前海地域」(中津・宇佐・豊後高田・真玉・香々地)は広大な干潟域とその沖合の浅海水域からなり、貝類・エビ・カニ類・カレイ類の生産の場です。「豊後灘・別府湾地域」(国見・姫島・くにさき・武蔵・安岐・杵築・日出・別府・大分)は豊後水道から来遊する魚類の回遊路にあたる豊後灘と、深く湾入する別府湾からなり、外洋水と内海水が混ざる生産性の高い漁場とされています。「豊後水道北部地域」(神崎・佐賀関・臼杵・津久見・保戸島)は典型的なリアス式海岸で、磯根資源・根付魚類・回遊性魚類が豊富な海域です。「豊後水道南部地域」(上浦・佐伯・鶴見・米水津・上入津・下入津・蒲江・名護屋)も変化に富んだリアス式海岸で、一本釣り漁業からまき網漁業まで様々な漁船漁業と、ぶり・たい・真珠などの養殖業が営まれています。
釣り場探しの参考として、九州の他県のガイドも福岡のイカ釣りガイドや熊本の釣り場ガイドで確認できます。
今回の調査で釣りの可否・条件が公式に確認できたのは以下の場所のみです。載っていない漁港・海岸は「釣りができる」でも「禁止」でもなく、単に一次資料に未到達というだけです。必ず現地の看板を優先してください。
| 場所 | 今回確認できた公式情報 |
|---|---|
| 別府港餅ケ浜地区の桟橋(別府市、旧オリアナ桟橋) | 大分県港湾課によると、大分県内の港湾区域内で釣りのできる場所はここのみ。別府市公式サイトによれば長さ約260m・幅5〜7m、開場時間は8:00〜17:00(4・5・9月は7:00〜18:00、6〜8月は6:00〜19:00)、強風・高潮時は閉鎖あり。他の利用者に迷惑にならない範囲で釣りは可能だが投げ釣りは条例で禁止、車両乗入れ・船舶係留も不可。駐車場は無く隣接する別府国際観光港第1駐車場を利用する(問い合わせ:別府市都市整備課都市管理係 0977-21-2560) |
| 大分県内の港湾区域全般 | 大分県港湾課の注意喚起によると、防波堤・護岸は高波・高潮から港を守る施設で一般の立入りを想定した安全性は無く、岸壁や物揚場は船舶係留・貨物積み卸しのための施設。餅ケ浜地区の桟橋以外を「釣りのできる場所」として明記した公式情報は確認できなかった |
| 佐伯港女島岸壁(佐伯市) | 佐伯市公式サイトによると、佐伯港女島岸壁はSOLAS条約に基づき立入が制限されるエリア(最終更新2026年1月27日) |
| 大浜漁港海岸(佐伯市) | 佐伯市公式サイトによると、大浜漁港海岸(天然海岸)の一部区間はがけ崩れのおそれがあるため立入禁止(最終更新2026年7月24日)。「釣り等でお越しの際は、立入禁止区域に入らないようお願いします」と案内されている |
| 佐伯市内の漁港全般 | 佐伯市は「釣り等レジャーで来訪される皆様へのお願い」として、ゴミ・釣り仕掛けの持ち帰り、トイレ以外での用便禁止、釣り禁止・立入禁止場所への不進入、夜間早朝の静音、駐車禁止場所を避けること、ライフジャケット着用を案内している(最終更新2026年4月27日) |
公営の海釣り施設(有料・無料を問わず「海釣り公園」のような釣り専用施設)についても調べましたが、今回確認できた公式情報の範囲では県内にそうした施設は見当たりませんでした。県の港湾課が「港湾区域内で釣りのできる場所」として挙げているのは餅ケ浜地区の桟橋のみです(2020年3月更新の県ページ)。市町村や民間の釣り施設は今回の調査では公式情報に到達できておらず、無いという意味ではありません。
大分県港湾課は、港湾区域内の防波堤・護岸について「一般の人が立ち入ることを想定した安全性は確保していません」、岸壁や物揚場についても「大型の車両などが通行するなど、港湾事業従事者以外の方には大変危険なところです」と注意喚起しています。県内の港湾区域で公式に釣りが認められているのは餅ケ浜地区の桟橋のみで、それ以外の港湾施設は釣りの可否にかかわらず立入り自体に危険が伴います。加えて、佐伯港女島岸壁はSOLAS条約による立入制限区域、大浜漁港海岸(佐伯市)はがけ崩れのおそれによる一部立入禁止と、公式に立入禁止が明記されている場所があります。漁港については、JFおおいたも「定置網・養殖イケスなどの施設がある海域付近での釣りは控えましょう」「港の出入口での釣りは船の出入りがあり大変危険です」と注意を呼びかけています。現地に釣り禁止・立入禁止の看板がある場合は、この記事の内容にかかわらず必ず従ってください。
大分県漁業調整規則(令和2年大分県規則第66号)は、大分県公式サイトに主な条項が掲載されています。遊漁者(プロの漁業者以外の人)が海面で使える漁具・漁法は、第46条で次の5種類に限定されています。
「一 竿釣及び手釣 二 たも網及びさで網(さより又はしらうおをとることを目的とする場合を除く。) 三 投網(船を使用しないものに限る。) 四 やす及びは具 五 徒手採捕」
これ以外の漁具・漁法で水産動植物を採ることは禁止されており、違反すると科料の対象になります(第46条)。あわせて第35条では、海面において「発射装置を有するもり又はやす」「水中に電流を通じてする漁法」などの使用が何人にも禁止されており、違反は6月以下の拘禁刑もしくは10万円以下の罰金、又はこれを併科すると定められています。JFおおいた(大分県漁業協同組合)も公式サイトで同様に「漁業者以外の人が使用できる漁具又は漁法」を竿釣り・手釣り、たも網・さで網、投網(船不可)、やす・は具、徒手採捕に限定し、「船によるまき餌釣り」「潜水器具を使用して魚介類をとる」「発射装置具(小中銃など)の使用」(原文ママ)を禁止行為として挙げています。大分県庁の補足説明(大分県漁業調整規則第35条、第46条関係)によると、発射装置のない「やす」は使用できますが、水中銃やチョッキ銛など先端部と柄が離れる「もり」は発射装置の有無にかかわらず使用が禁止されています。また、海面での「ひっかけ釣り」と「かに網」の使用も禁止されています(大分県庁「遊漁のルールとマナー」)。
採捕できる大きさ・時期にも制限があります。大分県漁業調整規則第42条は、あゆ(1月1日〜5月19日は海面・内水面とも禁止)、あわび(殻長10cm以下は周年禁止、超えるものも11月1日〜12月10日は禁止)、さざえ(殻蓋長径2cm以下は周年禁止、超えるものも11月1日〜12月10日は禁止)、あさり(殻長2.5cm以下は周年禁止)、いせえび(全長20cm以下は周年禁止、超えるものも6月1日〜8月31日は禁止)、まだこ(体重200g以下は周年禁止)、くるまえび(全長10cm以下は周年禁止)、がざみ(甲幅15cm以下は周年禁止)、ぶり・もじゃこ(全長15cm以下は周年禁止)、まだい・ちだい(全長12cm以下は周年禁止)など、種類ごとにサイズと期間を細かく定めています。加えて、うに・あわび・いせえび・たこ・あさり・まてがい・ひじき・くろめ・わかめ・さざえなど、漁協が設定する第1種共同漁業権の対象種は、釣りを含むどんな方法でも無断で採ると漁業権侵害になり得ると大分県庁が案内しています。
地域限定のルールもあります。水の子島(佐伯市鶴見)では、大分県漁業調整規則に基づき「まきえづり」が禁止されているほか、漁業法に基づく第1種・第3種共同漁業権が設定され、「いせえび」などの定着性動植物、「ぶり・いさき・たい」の採捕が禁止されています。飼付漁業権(餌をまいて集めた魚を一本釣り等で獲る権利)は大分県漁協の一部の支店(佐賀関支店・鶴見支店・保戸島支店・津久見支店)に設定されており、佐賀関支店・鶴見支店・保戸島支店は「ぶり・たい・いさき」、津久見支店は「たい・いさき・あじ」、保戸島支店は「ぶり・いさき・たい・あじ」が対象魚種とされています。対象水域で対象魚種を採捕(釣り等、漁法を問わず)すると、漁業権の侵害となることがあるため注意してください。詳しい区域・座標は大分県庁「遊漁のルールとマナー」ページからPDFで確認できます。
JFおおいた(大分県漁業協同組合)が公表している「大分のさかな」一覧によると、季節ごとの主な魚介は次のとおりです。春はコウイカ・サザエ・イサキ・アサリ・ヒジキ・マコガレイ・ヒラメ・マダイ、夏はシマアジ・アワビ・イワガキ・ハモ・サワラ・カンパチ・ヒラマサ、秋は車エビ・ガザミ・サバ・イボダイ・タチウオ、冬はナマコ・クロメ・マガキ・ヒオウギ貝・トラフグ・ブリなどが挙げられています。ただし、このうちサザエ・アワビ・イワガキ・アサリ・ヒジキ・ナマコ・クロメ・マガキ・ヒオウギ貝は、大分県庁「漁業権」ページが示す第1種共同漁業権の対象種にあたり、漁協がこの漁業権の対象にしている水産動植物のため釣り人が勝手に採ることはできません。遊漁者が対象にできるのはイサキ・マダイ・タチウオ・サバ・コウイカ・マコガレイ・ヒラメ・シマアジ・ハモ・サワラ・カンパチ・ヒラマサ・車エビ・ガザミ・イボダイ・トラフグ・ブリなどで、これらもまだい・ちだい(全長12cm以下禁止)・がざみ(甲幅15cm以下禁止)・くるまえび(全長10cm以下禁止)・ぶり/もじゃこ(全長15cm以下禁止)などサイズ・期間制限(大分県漁業調整規則第42条)は必ず確認してください。関あじ・関さばは、JFおおいた佐賀関支店所属の漁業者が一本釣りで獲ったマアジ・マサバのブランド名です(JFおおいた「関あじ」「関さば」)。
大分県漁業調整規則第46条で遊漁者に認められているのは竿釣り・手釣りが中心のため、堤防や桟橋からの一般的なサビキ釣り・ウキ釣り・ルアー釣りであれば規則の範囲内です。初めての場合は仕掛けが一式そろったセットを選ぶと準備がしやすくなります。
タックル選びに迷ったら釣り道具・タックルおすすめガイド、他の釣り場と比較したい場合は釣り場ガイドまとめも参考にしてください。
大分県港湾課が注意喚起するとおり、防波堤・護岸・岸壁は本来一般の立入りを想定した安全対策がされていない施設です。餅ケ浜地区の桟橋のように公式に開放された場所以外は、釣りの可否にかかわらず立入り自体に危険が伴います。別府市は餅ケ浜桟橋の利用にあたり柵を乗り越えないこと、海に飛び込まないこと、津波や高潮のおそれがある場合は速やかに避難することを案内しています。佐伯市も釣り等レジャーで来訪する人に向けて、ゴミ・釣り仕掛けの持ち帰り、トイレ以外での用便禁止、立入禁止場所への不進入、夜間早朝の静音、駐車禁止場所を避けること、ライフジャケットの着用を呼びかけています。JFおおいたも「港の出入口での釣りは船の出入りがあり大変危険です」「定置網・養殖イケスなどの施設がある海域付近での釣りは控えましょう」と案内しており、漁業者の作業の妨げにならないことが遊漁の大前提です。
Q. 大分県で釣りをするのに許可や免許は必要ですか?
A. 竿釣り・手釣りなど大分県漁業調整規則第46条で認められた漁具・漁法の範囲であれば、県の規則上は許可制ではありません。ただし、うに・あわび・いせえび・たこ・あさり・ひじきなど第1種共同漁業権の対象種を採ると漁業権侵害になり得るほか、まだい・ちだい・いせえび等はサイズ・期間の制限があります(大分県漁業調整規則第42条)。また、クロマグロを狙う場合は2024年4月から遊漁の管理体制が強化されており、水産庁の規制を別途確認する必要があります(大分県庁「遊漁のルールとマナー」)。
Q. 港や漁港なら基本的に釣りができますか?
A. いいえ。大分県が公式に「港湾区域内で釣りのできる場所」と案内しているのは別府港餅ケ浜地区の桟橋のみです(2020年3月更新の県ページ)。それ以外の港湾施設・漁港は、明文の禁止が無くても防波堤・岸壁自体に立入りの危険があり、漁業者の作業を優先すべき場所です。現地の看板の指示に従ってください。
Q. 大分県内に公営の海釣り公園はありますか?
A. 今回確認できた公式情報の範囲では、県内に「海釣り公園」のような釣り専用の公営施設は見当たりませんでした。県の港湾課が「港湾区域内で釣りのできる場所」として挙げているのは餅ケ浜地区の桟橋のみです(2020年3月更新の県ページ)。市町村や民間の釣り施設は今回の調査では公式情報に到達できておらず、無いという意味ではありません。
Q. 集魚灯や投網は使えますか?
A. 大分県漁業調整規則第46条で遊漁者に認められた漁法は竿釣り・手釣り・たも網・さで網・船を使わない投網・やす・徒手採捕のみです。集魚灯については、第35条により瀬戸内海で火光を利用する「やす突」漁法と干潟で火光を利用する漁法が禁止されています。これ以外の場面での遊漁者向けの使用可否は今回の一次資料では確認できなかったため、使用を検討する場合は大分県漁業管理課 漁業調整班(097-506-3918)へ確認してください。
Q. 釣った魚のサイズや量に制限はありますか?
A. あわび・さざえ・いせえび・まだこ・くるまえび・がざみ・ぶり(もじゃこ)・まだい・ちだいなど、大分県漁業調整規則第42条で種類ごとに採捕できる大きさと期間が定められています。詳細は大分県庁「大分県漁業調整規則」ページの表で確認できます。