富山県の釣り場ガイド|富山新港・伏木の現況と遊漁ルール

富山県の釣り場ガイド|富山新港・伏木の現況と遊漁ルール

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富山湾は水深1,000mを超える谷が沿岸近くまで迫る珍しい地形で、氷見・高岡・射水・富山市・滑川・魚津・黒部・入善・朝日の沿岸各地に漁港が点在しています。ただし2024年1月の能登半島地震の影響で、伏木港の一部埠頭は今も立入が制限されているなど、以前と状況が変わっている場所もあります。本記事は富山県・港湾管理者・各市町村が公開している一次資料をもとに、2026年9月26日時点で確認できた範囲でエリア別の釣り場情報と規制をまとめました。旧記事で紹介していた「おすすめポイント」の断定的な表現は、現況を裏づけできたもの以外は引き継いでいません。

基本情報(2026年9月26日確認)

エリア 主な漁港・釣りスポット 管轄漁協 現況・注意点
氷見市 氷見漁港、薮田漁港 氷見漁業協同組合 県の遊漁マップに現存が記載。個別の立入禁止柵の位置は現地表示に従う
高岡市(伏木) 伏木万葉ふ頭 ―(港湾管理者は富山県) 能登半島地震の影響で一部区域が立入禁止。令和8年8月3日から緑色の区域が部分開放(2026年7月27日更新)
高岡市(伏木国分) 国分港(国分浜) ―(港湾管理者は富山県・伏木港事務所) 所在地は高岡市伏木国分。伏木富山港の一部で県の漁港一覧には無い。国分防砂堤・国分1~3号岸壁は重要国際ふ頭施設の保安確保のため常時立入禁止区域(区域図より)
射水市(新湊) 富山新港5スポット、新湊漁港(東地区・西地区) 新湊漁業協同組合 富山新港の西波除堤は3月~10月の土日祝のみ開放、11月~2月は開放なし(2025年7月5日更新)
富山市(岩瀬・四方) 神通川河口、岩瀬地区、四方漁港 とやま市漁業協同組合 四方漁港は漁船以外の船舶係留を禁止。神通川河口沖はしろえび漁操業海域に接近しない
滑川市 高月漁港、滑川漁港 滑川漁業協同組合 港内は狭く、漁船の出入りに注意
魚津市 魚津港、経田漁港 魚津漁業協同組合 市公式ページは一般的な注意喚起のみで、区画ごとの可否詳細は非公開。現地の立入禁止表示に従う
黒部市 石田フィッシャリーナ、黒部漁港 くろべ漁協 石田フィッシャリーナは1月4日~12月29日の9時~17時開放(冬季1・2月は水曜定休)。黒部漁港は漁船以外の係留禁止
入善町 入善漁港 入善漁業協同組合 県の遊漁マップに現存が記載。個別の釣り可否情報は一次資料で未確認
朝日町 宮崎漁港 朝日町漁業協同組合 県の遊漁マップに現存が記載。個別の釣り可否情報は一次資料で未確認

今も釣りができる場所・できない場所(現況の最重要ポイント)

伏木万葉ふ頭は震災の影響で一部立入禁止が続いています。富山県伏木港事務所によると、令和6年1月1日の能登半島地震の影響により、重要国際ふ頭施設の保安確保のための常時立入禁止区域(赤)と、震災で緑地が被災したための震災後立入禁止区域(青)があります。令和8年8月3日から、工事が完了した万葉ふ頭緑地周辺など緑色の区域が部分開放されます(2026年7月27日更新)。釣りができるかどうかは県の告知に明記がないため、現地の表示と伏木港事務所(0766-44-0277)で確認してください。区域図によると、公園利用者用の駐車場は工事中のため利用できません。

一方、富山新港(伏木富山港新湊地区)は富山県富山新港管理局・射水市の案内によると、全域禁止ではなく指定された5カ所が釣り場として開放されています。西波除堤・東港口護岸・開港記念碑緑地広場・東水路先端緑地・南水路緑地の5カ所で、このうち西波除堤は3月~10月の土日・祝日のみ開放され、11月~2月は開放されていません。開放時間は季節によって9時~17時または9時~18時です(富山県2025年7月5日更新、射水市2025年9月4日更新)。荒天時等は閉鎖されることもあります。駐車場はスポットごとに異なり、西波除堤は海王丸パーク駐車場(600台・無料)から徒歩15分など離れている場所もあるため、出かける前に確認してください。なお富山新港の中央・北・東の各ふ頭は保安上の理由で関係者以外立入禁止です。

黒部市の石田フィッシャリーナ つり桟橋は黒部市公式サイトによると、1月4日~12月29日の9時~17時に開放されており、冬季(1・2月)は毎週水曜と年末年始が定休です。無料で利用でき、レンタル竿・エサの販売もあります。駐車場は北側25台・南側52台で、富山地方鉄道石田駅から徒歩10分です。荒天時は臨時変更があるため注意してください。

規制・禁止事項

富山県漁業調整規則では、遊漁者(レジャーで釣りをする人)が使える漁具・漁法を「竿釣り・手釣り」「たも網・さで網」「船を使わない投網」「やす」「徒手採捕」の5つに限定しており、違反には罰則があります(第43条)。ひき釣り(トローリング)、潜水器具を使った採捕、水中銃を使った採捕は禁止です。素潜りであっても、漁業権の対象になっている魚介類を採ると権利侵害となる場合があります。

採捕禁止期間が定められている水産動植物もあります(第39条)。ナマコは5月1日~10月31日、テングサは9月1日~10月31日、アユは12月1日~6月15日が禁止期間です。なお、水産流通適正化制度に基づく採捕事業者の届出を行っていない者はナマコの採捕ができません(県の遊漁マップより)。ナマコは国が定める「特定水産動植物」の一つでもあり、漁業権や許可によらない採捕は漁業法(第132条・第190条)により3年以下の拘禁刑又は3,000万円以下の罰金の対象となります。また、遡上するサクラマスを保護するため、4月1日~6月30日の間は庄川・神通川・黒部川の河口付近(庄川540m、神通川850m、黒部川540m)でのサクラマス採捕が禁止されています。

富山湾の沿岸は地区ごとに「共同漁業権」が設定されており、カキ・アワビ・サザエ・ワカメ・ウニ・ナマコ・タコなど、地区の漁協が権利を持つ魚介類・海藻類を遊漁者が採ることは、許可された漁具・漁法であっても漁業権の侵害として罰せられることがあります。対象種は地区(氷見・高岡・射水/富山市・滑川・魚津/黒部・入善・朝日)ごとに細かく異なるため、貝類・海藻類の採取は原則行わないのが安全です。

令和7年(2025年)4月からは、富山海区漁業調整委員会の指示により、定置漁業に用いる漁具(かき網・身網・ロープ・浮き玉など)に船を固定するなど、漁具に接触して行う遊漁が禁止されました。定置網の周囲には富山県漁業調整規則第34条に基づく保護区域が設定されている場合もあるため、定置網には近づかないようにしてください。四方漁港・水橋漁港・経田漁港・黒部漁港では、漁船以外の船舶の係留も禁止されています。

河川(内水面)でアユ・ヤマメなどを釣る場合は、水産庁の内水面遊漁制度のとおり、各河川を管轄する漁業協同組合が発行する遊漁承認証(遊漁料)が必要です。金額や対象区間は河川・組合ごとに異なるため、片貝川・布施川・角川などで釣る場合は事前に富山県内水面漁業協同組合連合会または各漁協へ確認してください。

狙える魚と時期

富山湾を代表する魚介のうち、寒ブリは11月~1月頃に漁獲期を迎えますが、主な漁獲方法は定置網であり、遊漁船は定置網エリアの外で釣りをする必要があります。堤防・漁港からの陸釣りで寒ブリそのものを狙うのは現実的ではありません。

富山湾の白えび漁は4月~11月が漁期で、操業時間は未明~午前中です。操業中の白えび漁船は黄色い回転灯を点灯するため、見かけたら十分に距離をとって航行・釣行してください(神通川河口沖・庄川小矢部川河口沖に操業海域が設定されています)。

ホタルイカは、常願寺川河口右岸から魚津港付近までの沿岸・大潮満潮時の波打ち際から沖合約1.3kmが「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されています。滑川市の案内によると、観光船によるホタルイカ海上観光は例年4月前半からゴールデンウィークにかけての早朝に行われています。観察・採取を目的に訪れる場合は、漁業権や保護区域に関わる可能性もあるため各市町村の最新案内を確認してください。

アジ・クロダイ・メバル・カサゴ・シロギス・アオリイカなど、防波堤や漁港内でサビキ釣り・投げ釣り・エギングの対象になる魚種は富山湾沿岸で広く見られますが、特定の漁港でどの魚種が釣れるかは季節・年によって変動するため、断定的な「おすすめポイント」としての紹介は避け、各釣り場の現地情報・釣具店で直近の状況を確認することをおすすめします。

アクセス・駐車

富山県の公式案内によると、漁港での釣りなどを目的とした一時的な駐車は認められていますが、「漁業の妨げにならないように場所や時間を選んで下さい」とされています。「駐車場」として使用(占用)することは原則できません。漁業者の車両の妨げになる場所や、緊急車両の通行路をふさぐ駐車は避けてください。石田フィッシャリーナ・富山新港の各スポットのように無料駐車場が整備されている場所もあれば、指定がない漁港もあるため、事前に各自治体・施設の公式ページで駐車場の有無を確認するのが安全です。

タックル・仕掛け

初心者・ファミリーには、足場が安定した漁港内でのサビキ釣り(小型回遊魚狙い)が向いています。堤防や砂浜からの投げ釣りはキス・カレイなど、テトラ帯や堤防の際を探るルアー釣りはメバル・カサゴなどの根魚、秋のアオリイカにはエギングが使われます。いずれも足場や柵の有無、定置網・漁具への接触禁止ルールを踏まえたうえで、無理のない場所を選んでください。

安全とマナー

富山県の公式案内では、県内の港(港湾を含む)で年間数件の釣り人の転落事故が発生しており、中には死亡事故も起きていると明記されています。県の遊漁マップでは、釣り場に合った救命具の準備、荒天時に危険な場所へ立ち入らないこと、漁業者の漁具に損害を与えないこと、定置網・さし網などが敷設されている付近で釣りをしないことが呼びかけられています。ボートや水上バイクを利用する場合は、刺し網のボンデン(標識)等につかまらないよう注意してください。ゴミは必ず持ち帰り、漁業者の作業の妨げにならないよう配慮しましょう。

富山湾でのより広いエリアの釣り場ガイドは全国の釣り場ガイド一覧、道具選びは釣具おすすめまとめも参考にしてください。岐阜県側の神通川水系(高原川)の渓流釣りは高原川の釣り場情報で別途まとめています。

よくある質問

Q. 富山県で海釣りをするのに免許や許可は必要ですか?

A. 竿釣り・手釣りなど富山県漁業調整規則が定める5種類の漁具・漁法の範囲であれば、遊漁者個人の許可申請は不要です。ただし禁止漁法(ひき釣り・潜水器具・水中銃)や、禁止期間中の対象種の採捕、共同漁業権の対象となる貝類・海藻類の採取は規則違反になります。

Q. 富山新港ならいつでも釣りができますか?

A. いいえ。釣りができるのは5カ所に限られ、このうち西波除堤は3月~10月の土日・祝日の限られた時間帯のみの開放で、11月~2月は開放されていません(富山県富山新港管理局・射水市の案内より)。荒天時は閉鎖されることもあります。

Q. 伏木万葉ふ頭で釣りはできますか?

A. 令和8年8月3日から、能登半島地震の被災区域のうち工事が完了した万葉ふ頭緑地周辺など緑色の区域が部分開放されます。釣りができるかどうかは県の告知に明記がないため、現地の表示と富山県伏木港事務所で確認してください。公園利用者用の駐車場は工事中のため利用できません。

Q. サザエやアワビ、ワカメを見つけたら採ってもいいですか?

A. 富山湾の沿岸は地区ごとに共同漁業権が設定されており、これらは漁協の権利対象です。遊漁者が採ると漁具・漁法の制限内であっても漁業権侵害となる場合があるため、採らないでください。

Q. 河川でアユやヤマメを釣るには何が必要ですか?

A. 各河川を管轄する漁業協同組合が発行する遊漁承認証(遊漁料)が必要です。金額や対象区間は組合ごとに異なるため、事前に管轄の漁協または富山県内水面漁業協同組合連合会に確認してください。

出典一覧